全身性エリテマトーデスはどんな病気? 経過のしかた

全身性エリテマトーデス(SLE)は、慢性の経過をたどる病気です。病気の勢いが強い(疾患活動性が高い)「活動期」と、病気の勢いが弱い(疾患活動性が低い)「非活動期」があり、症状はよくなったり悪くなったりを繰り返します。

全身性エリテマトーデス(SLE)の活動期と非活動期全身性エリテマトーデス(SLE)の活動期と非活動期

治療がうまくいけば「寛解(かんかい)」と呼ばれる症状のない状態となります。また、寛解を維持すれば健康な時と変わらない日常生活を送ることができます。ただし、いったん寛解に到達しても、再び病気の勢いが強くなり症状が悪化すること(再燃)があります。また、寛解の状態になり自覚症状が消えていても病気が治癒したわけではないため、治療を自己判断で中断したりすると、すぐに再燃が起こってしまいます。

そのため、適切な治療を正しく継続して病気の勢い(疾患活動性)をコントロールすると同時に、悪化や再燃を引き起こす環境の要因をできるだけ避けることが大切です。悪化や再燃を引き起こす要因として、日光(紫外線)を浴びること、ウイルス・細菌などの感染症、妊娠・出産、特定の薬剤の使用、ケガや外科手術などがあります。

【悪化・再燃を引き起こす要因】

【悪化・再燃を引き起こす要因】 【悪化・再燃を引き起こす要因】

SLEは指定難病とされていることもあり、難病=治らない病気というイメージがあるかもしれません。しかし、最近では治療法の進歩により、適切な治療薬で病気の勢い(疾患活動性)をコントロールしながら、安定した日常生活を送ることが可能になりつつあります。