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重田さあやさん
重田さあやさん

私の大学生活は、思い描いていたものとは違った。起きるのはいつもお昼過ぎ。夕方に帰ってきて寝る。ご飯を食べて寝る。お風呂から上がって寝る。寝ても寝ても、知らない間にまた寝ている。なんでこんなに眠いんだろう。どれだけ怠け者なんだろう、私。お母さんには散々怒られたけど、私だって自分が分からない。言い合いをするのが嫌になって、荷物をまとめて家を出た。

重田さあやさん
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一日中寝ていたのは、病気のせい。倦怠感のせい。診察室でそう聞かされた時、昨日までの自分から解放されたような気がした。全然通えていなかった大学は中退し、家業を手伝いながら療養した。23歳の時、今ならと思ってアパレル企業に派遣社員として就職。1か月と経たないうちに、「正社員にならないか」って誘ってもらった。こんな私でもバリバリ働けるんだ。すごい自信になったし、気持ちも高まった。

重田さあやさん
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入社して3年目、異常な眠さに再び襲われた。1日に何度も会社のトイレで休まないと、思うように働けない。検査の結果は、想像よりはるかに悪いものだった。10年後、私は元気に生きていられる?好きなものを食べていられる?治療で顔がパンパンになったり、髪の毛が抜けたり、子どもが産めなくなるかもしれない。私、女の子として生きていく魅力あるのかなって思った。それ以上に、自分の病気のせいで大切な人が傷つく姿を見るのが辛かった。

重田さあやさん
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まずは自分が元気になるしかない。明るく前向きになるしかない。思えば、SLEと診断されてから、自分のことを理解しようとしてこなかった。病気のこと、副作用のこと、ご飯のこと、美容のこと、とことん勉強した。少しずつ、病気との向き合い方、バランスの取り方が分かってきた。病気だからってできないことはない。食べられないものはない。転職して新しい仕事に挑戦することにした。ゴルフも始めてみた。事前に準備すれば、大好きな焼肉もこれまで以上においしく食べられる。人の優しさも、今までの何十倍も感じられるようになった。お父さんお母さんは、こんな体に産んでごめんねって言うけど、病気だから気づけた幸せもたくさんあるよ。

重田さあやさん
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重田さあや 20代/アパレル企業人事部

18歳の時、発熱、関節痛が続き、心膜炎を併発。検査の結果、SLEと診断される。大学入学後に重度の倦怠感に悩まされ、その後、関節炎と心膜炎を再燃。大学を中退し、家業を手伝いながら療養する。23歳で就職。26歳の時、症状が再び悪化し入院。ループス腎炎Class IVと診断される。退院後は徐々に社会復帰を果たし、現在はアパレル企業に勤める。

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