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若宮三紗子さん
若宮三紗子さん

卓球のプロになる。そう決めて大学を中退し、実業団の寮に入った。20歳を境に、体に不調が出始めた。トレーニングをしたら熱が出る。指が痛い。疲れているのかな。でも、スポーツ選手は疲れているのが普通。しんどいのが当たり前。みんなができていることができないのは、自分の弱さだ。病気だという発想はなかった。

若宮三紗子さん
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1か月の海外遠征の後、40度の熱が続いた。23歳の誕生日は、リンパが腫れて呼吸をするのもしんどかった。大学病院で受けた検査で、SLEと診断。安心した。ホッとした。しんどかったのは私の気持ちが弱いせいじゃなかった。病気のせいだったんだ。今までの自分が救われた。隣では、母親がずっと泣いていた。

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病気のことは自分にしかわからない。私が自分で考えて、自分で動くしかない。練習時間を3分の1に減らし、対戦相手のビデオを観る時間を増やした。難しい注文に応えてくれるトレーナーと栄養士を探した。周りの言葉に潰されないようメンタルトレーニングも始めた。成績は、病気になる前よりも良くなった。でも、遠征が続くと症状は悪化し、精神的にも限界を感じるようになった。負けてたまるか。自分を鼓舞するように、自宅の部屋を真っ赤にした。カーテンも、ラグも、布団も。崩れそうな気持ちを崖っぷちで支えた。

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最後と決めて挑んだ世界団体選手権は思いきり楽しんだ。海外遠征がなくなると、症状も落ち着いていった。28歳で現役を引退。卓球だけに向き合い続けた20年間にプライベートはなかった。これからは全然違う世界を見てみたい。世界は広いなって思いたい。最近みんなが口を揃えて言う。三紗子は今が青春だねって。

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若宮三紗子 30代/元卓球日本代表

20歳の頃から関節痛や発熱などを繰り返す。23歳の時に40度の熱が下がらず大学病院を受診。検査の結果、SLEと診断。病気と闘いながら全日本選手権女子ダブルス4連覇を達成し、世界選手権団体戦では銀メダル獲得に貢献。その後、SLEを患っていることを公表、28歳で現役を引退。現在は卓球解説のほか多分野で活躍している。

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