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坪内美稚子さん
坪内美稚子さん

新卒で航空会社に入社して2年目。朝、目覚めると、鉛をつけられたように体が重い。ただ、まぶたが開くだけで、体はまったく動かない。ハードで不規則な仕事で溜まったストレスのせいだと思った。土日休みの仕事に転職してからも、やっぱり何かおかしい。全身が筋肉痛になったり。声が出なくなったり。膀胱炎になったり。自転車に乗ると指先だけが真っ白になって、あまりの痛さに涙が出た。それでも、大丈夫、大丈夫って、自分に言い聞かせた。自分が病気だとは認めたくなかった。

坪内美稚子さん
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年が明けて、40度の熱が続いた。インフルエンザかなと思って病院に行くと、SLEと診断された。仕事を辞めて、闘病生活が始まった。あまり外出しないよう言われていたので、ずっと寝ているだけの日々。治療の影響で、パンパンに丸くふくれていく顔を見て、絶望に打ちひしがれた。母とぶつかり、とっくみあいの喧嘩をした。自暴自棄になって、真冬の夜を薄着のままさまよい歩いた。なにやってるんだろう、私。

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そろそろ仕事を始めたらどう?母の言葉をきっかけに、無理なく働けそうな仕事を探した。面接官に会った瞬間、「あなたに決めます」と言われた。久しぶりに、誰かに認められた。研修中も、「飲み込みが早いね」って、また認められた。先輩たちは病気のことを理解してくれて、休憩時はソファを空けてくれた。がんばれる、がんばれる、がんばれる。小さなきっかけがいっぱい集まって、前を向けた。

坪内美稚子さん
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一人暮らしをしたくて、フルタイムで働き始めた。ちょっとでも体調が悪いと思ったら休む。絶対に無理はしない。病気の操り方が少しずつ分かってきた。好きだった旅行も再開した。お医者さんの許可のもと、海外へも行った。なんだ、人生楽しめるじゃん。みんなと一緒じゃん。ふつうに過ごせるってありがたいな。病気になってから、日常に感謝するようになった。

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坪内美稚子 20代/企業受付

24歳の時に発疹と口内炎を発症。高熱、重度の倦怠感により会社を休みがちに。転職後も、全身の筋肉痛、レイノー現象など、様々な症状に悩まされる。25歳の冬にSLEと診断。胸膜炎を併発し、入院生活を送る。退院後は自宅にて療養。その後、再就職し、現在は企業受付としてフルタイムで働く。

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